吉越私が2006年まで社長を務めた会社では、毎朝管理職を集めて会議を開いていました。19年連続で増収増益を達成できたのは会議のお陰です。この朝会議の目的はコミュニケーションなんですね。組織内でみんなが同じ情報を持てば、同じ結論が出せるはずなんです。ベースになる情報の擦り合わせができていなければ、議論になりません。全員が同じ情報を持って徹底的に話し合えば、情報がどんどん展開されて結論が出やすくなるので組織の動きもスピードアップします。当然メンバーは楽しくなります。だからこそ情報の展開力が重要なんです。情報の擦り合わせは会社の基本だと思います。
小室組織の中で、なぜ情報を擦り合わせるのかと言えば、最終的に決断をしなければならないからなんです。例えば新しい企画づくりの際、いかに早くアイデアをまとめ、他社に先駆けてビジネスとして展開するかが重要になります。モバイルサイトの企画などのようにアイデア勝負の場合、モタモタしていると他社にすぐ真似されてしまいます。そうしたスピードが求められるビジネスが増えているからこそ、情報の展開力も求められているのではないでしょうか。情報の擦り合わせとは、別の言い方をすれば、お互いの情報量をそろえることです。議論がかみ合わないときは、価値観の違いよりも情報量の違いが原因であることが多いですね。
小室淑恵(こむろよしえ)
日本女子大学卒業。1999年 資生堂入社、2006年 株式会社ワーク・ライフバランス設立。700社以上のワークライフバランス組織変革コンサルティング事業を手がけている。公務で委員を務め、著作も多数。『~ほんとうの豊かさを手に入れる~人生と仕事の段取り術』(PHP研究所、1月)、働き方を変えたい人をサポートする携帯サイト『働き方チェンジナビ』を2010年2月にオープンさせた。
吉越浩一郎(よしこしこういちろう)
ドイツ・ハイデルベルク大学留学後、上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。メリタ香港などを経て1983年にトリンプ・インターナショナル、1992年にトリンプ・インターナショナル・ジャパン代表取締役社長に就任、2006年まで同職。毎日開催される早朝会議での即断即決経営を武器に19年連続増収増益を達成。2004年「平成の名経営者100人」、2008年ベストドレッサー賞を受賞。現在は吉越事務所代表。東京と南フランスの2カ所を拠点に講演、執筆を行う。
2010年2月25日木曜日
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