英国ロイズ「キルン社」買収手続き完了について
株式会社ミレアホールディングス(社長隅修三)は、2007年12月14日に、「英国ロイズ『キルン社』買収手続き開始の合意について」を発表いたしましたが、今般、保険グループ「キルン社 (Kiln Ltd.)」(以下「キルン社」)の買収(以下「本件買収」)に関する手続きを全て完了いたしましたのでお知らせいたします。
2007年12月14日のキルン社経営陣との買収手続き開始の合意後、本件買収は2008年2月13日開催のキルン社臨時株主総会において、過半数の株主(委任状含む)が出席し、その99%超の賛成により決議されました。
今般、全ての関係国当局などの認可・承認を受領したことから、キルン社本社所在地である英領バミューダにおいて本件買収に関わる最終的な手続きを行い、現地時間3月10日に手続きが完了いたしました。
これに伴い、キルン社は3月10日付でロンドン証券取引所上場を廃止し、当社子会社である東京海上日動火災保険株式会社(以下「東京海上日動」)の100%子会社となりました。
買収総額は約442百万ポンドで、円貨ベースでは約950億円(為替レート:平均取得為替値をベースとした£=215円にて換算)となりました。
当社の連結決算の損益面の影響といたしましては、2009年3月期決算から反映することとなります。
今後は、買収の効果を最大限に発揮していくために、ミレアグループとキルングループの両者にて共同で戦略を検討し、新たな事業展開を検討していくなど、ロイズ市場のみならずキルン社の事業基盤を活用した更なる海外保険事業展開に取り組んでまいります。
以 上
<ご参考>
1. キルン社概要
・ 創 業: 1962年R.J.Kiln氏により創業
・ 業績動向(2006年度:£=215円で換算)
(百万ポンド)
(億円)
収入保険料 (*)
429
922
税引後利益
44
94
総資産
1,010
2,172
純資産
250
538
合算比率
77%
株主資本利益率(ROE)
20%
(*)収入保険料の地域別構成比:米国などNAFTA41%、英国10%、その他欧州11%、アジア9%、その他29%。
・ 年間引受可能保険料(キャパシティ):802百万ポンド(約1,724億円)
・ 決算期: 12月
・ 格付(S&P): A+(ロイズとしての格付け)
・ 従業員: 335名
2. ロイズ保険市場概要
・ 17世紀発祥の英国ロンドンに所在する世界を代表する保険市場です。
・保険の引受は「メンバー」と呼ばれる個人または法人の資本提供者によって行われております。かつては「ネーム」と呼ばれる無限責任を負う個人のみでしたが、1994年から法人メンバーが認められ、現在では法人メンバーがロイズ全体の85%に達しています。保険の引受に際して、メンバーは単独または複数で引受団「シンジケート(Syndicate)」を組成し、これを通じてリスクを一定割合で引き受けます。保険の引受を含むシンジケートの運営・管理は、シンジケートとは別の「マネージング・エージェント(Managing Agent)」と呼ばれる会社が行います。またロイズとの保険取引は特別の認可を得たロイズブローカーを通して行われるなど他の市場にはない独自の機能分化に特徴があります。
・ 2008年1月現在、ロイズでは75のシンジケートが176社のブローカーを通じて200以上の国および地域から引受を行なっています。2006年度の収入保険料は164億ポンド(約3兆5,260億円)、税引前利益37億ポンド(約7,955億円)となっています。
3. 買収手法および手続き
・ 本件買収は、バミューダの企業再編法制に基づき、東京海上日動がバミューダに100%出資の特別目的会社「Tokio Marine Investment (Bermuda)」(TMIB)社を設立し、キルン社とTMIB社を合併させる手法で行いました(*)。
・ バミューダにて合併(Amalgamation)申請書を提出し、現地時間3月10日に同合併申請書が受理され、合併新会社である"新"Kiln Ltd.社が登記されました。
・ 今後、東京海上日動がキルン社既存株主への対価(1株当り現金150ペンス(約323円))を支払います。
(*)バミューダ企業再編法制上、アマルガメーション(Amalgamation)と呼ばれる手続きで、合併に類似した手法です。バミューダのみならずカナダ、シンガポールなど各国において、特に友好的買収の際に三角合併などに広く用いられている手法です。
以 上
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