2010年1月17日日曜日

ポメラのメカ設計

隣のメカ設計事情レポート(3)
ポメラのメカ設計~日中をつなぐ3次元モデル~



小林 由美 @IT MONOist 編集部 2010/1/7

デジタルメモツールの「ポメラ」を設計したのは、文房具メーカーのキングジム。機械設計者がいない同社の開発チームの力になったのは、中国・香港のメーカーだった!(編集部)

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 電子メモツールの「ポメラ」をご存じだろうか。インターネットにつなぐことはできないし、辞書も付いていない、純粋に文章を書くだけのためのツールで液晶画面と折りたたみ式キーボードが合体したようなものだ。

 開発したキングジムでは、初年度の販売目標台数を3万台としていた。それをいざ市場に出してみると、9万台超えの大ヒット(2009年12月現在)。

 初代モデル「DM10」(2008年11月10日発売)が出てから約1年後、2009月11月25日には、液晶サイズが大きくなったモデル「DM20」が登場した。DM20のキーボードの色は、黒。ちなみに従来モデル DM10のキーボードは白で、メモ帳の白い紙をイメージしたとのこと。DM10のキーボードの機構そのものは、そのままDM20でも使われた。高級感をかもし出すために、DM20ではキー色が黒になったとのこと。
画像
左がDM10、右がDM20

 記者自身も取材メモや議事録作成などでDM10を愛用しているが、ノートパソコンに比べて軽量でかさばらないこと、電池が長持ちすること、テキスト入力に集中できること(メールに翻弄されたり、余計なネットサーフィンをしたりしなくて済む)ところが利点だと思っている。

 製品そのものに関する情報は、「いきなりグフまで行っちゃった――新型ポメラ「DM20」は化け物か」(誠 Biz.ID:仕事耕具)でご覧いただきたい。ポメラをよくご存じない方は、以降の記事をより楽しむために、まずはこちらで製品に関する知識を。
キングジム 電子文具開発部 開発二課
立石 幸士(たかし)氏

 ここでご登場いただくのは、(上記の記事と同様に)キングジム 電子文具開発部 開発二課 立石 幸士(たかし)氏。

 立石氏は設計者ではなく、企画担当者。同氏は、3次元CADによるモデリングや製図ができるわけではない。同部署の技術者 佐久間 学氏も、その専門は回路設計。キングジムのポメラ開発チームには、機械設計を専門としてきた技術者がまったくいないのだ。

 キングジムといえば、あの分厚いドキュメントをとじるごつい紙ファイルを思い浮かべるだろう。同社は文房具メーカーであって、家電・OA機器メーカーではない。ゆえにキーボードの筐体・機構設計の設計ノウハウは社内に皆無だった。もちろん、キーボードが設計できる機械設計者もいない。企画なら同社でできるものの、機構設計についてはキーボード開発の経験豊かな協力会社に頼らざるを得なかった。

 この部分をカバーするべく大きな力となったのは、やはり外部の協力会社だった。しかもこの協力会社というのは、日本国内のメーカーではない。
生産だけではなく

 ポメラの生産については製品の筐体裏に示されているように中国だが、設計の一部も中国だ(以下ではこの協力会社を「A社」と仮に呼ぶ)。

 ポメラの生産は少ないロットを見込んでいたために、大きなロットの受注を前提とする国内のメーカーとはコストなどの条件が合わず、海外のメーカーにアタックすることになった。今日ではキーボード開発のメッカともいわれる台湾のメーカーで模索を試みたが、結局、中国・香港に本社を置くメーカー A社へ落ち着いた。

 A社は、日本のメーカーからもキーボード設計・生産を受注している経験豊富で技術力の高いメーカーだという。通常、A社では、メーカーから完ぺきな仕様書を託されたうえで、詳細設計や製造を行う。だが、キングジムにはそのような仕様書を用意することは不可能だった。

 キングジム側の開発メンバーは、一般的な家電・OA機器メーカーから見てしまえば、いわば素人……。しかし、企画に込めた思いは、どこのメーカーにも負けないぐらい、強い。技術がないからといって、協力会社のいいなりになってしまうような状況も少々不本意だ。

 その一方、A社の技術者だって、やはり人の子。完ぺきな仕様書をもらい、いわれたことをやるだけの仕事よりは、自分たちもクリエイティブな部分に積極的に絡むことができる方が、仕事の充実感や喜びは大きい。

 そんな双方の気持ちがぴったりと合ったことで、日中の国境を飛び越えた製品開発が始まることになった。
日中の共同作業をつないだ3次元モデル

 両社では同じ3次元CAD(SolidWorks)を使用し、FTPサーバー上に3次元モデルの設計データを置き、3次元CADのデータを共有するようにした。日本と香港とはメールや電話を利用し、英語でのやり取りを行った。3次元CADのキャプチャ図に指示を書き込んだ資料が200~300枚ぐらいやり取りされたという。

 以降では、2社間におけるやり取りで実際に使用された資料の一部を紹介していく。
■設計課題 1: スライドアームがスカスカ
意訳
「この足(スライドアーム)をひっくり返しませんか。なんか現状では、スカスカしていて、洗練されていない感じですよ。このように修正してくだされば、この壁を指でスマートにかつ簡単に押すことができるのでは。変更できない場合ですが、いくつかリブをはわせて、強度を確保して足を延長してはどうでしょう。中を見てくだされば(キーボードが閉まっているときで)、このスカスカ足は弱くて精度が高くない感じがすることが分かると思います。私たちは修正したほうがいいと思うんですが」

「スライドアーム(筺体背面)は結果的に板厚そのものを増して、1枚の平坦な板にしました」(立石氏)

>>まだまだ出てくる! 貴重な設計資料

2010年1月15日金曜日

ロイズはこの海運情報を独占

1871年ロイズ法(Lloyd’s Act)によりロイズは法人化された。この法人化が、今日のロイズの基盤を築いたとロイズは自ら評価している。ロイズ法はロイズを法人と定め、ロイズ委員会に対し、会員を管理する権限を付与したばかりでなく、会員以外の者がロイズの保険証券に署名を行ったり、ロイズのスタンプを作成、使用することは犯罪行為であると定めた。また会員の権利保護に万全を尽くし、破産、詐欺や信用毀損行為などによる除名手続も規定した。さらに海運情報をロイズの業務の一環として認めている。ロイズはこの海運情報を独占することで優位に立っていたが、これは世界中に張り巡らせたエージェンシーと信号所によるところが大きい。特に信号所は海運情報の独占に貢献し、1890年代後半以降の無線の発明、普及までこの独占は続いた。このようにロイズの法的存在、規約、バッジの規定などは 1871年であり、その意味でロイズの歴史は300年ではなく、100年と見ることも可能である。

ロイズは300年にもわたり、一部の特権階級の間で運営されてきた。また仲間内の秘密主義も温存され、シンジケートに資本を提供しているネームに対しても情報提供の義務はなかった。ロイズはイングランド銀行よりも長い歴史を有しているのである。


PDFだが、詳しくは以下で読める。上はPDFからの抜粋。
http://www.sj-ri.co.jp/quarterly/data/qt31-2.pdf


ロイズ(Lloyd's)とは、ロンドンにある世界的な保険市場であり、二つの意味がある。

国際的な保険市場としてのロイズ
イギリスのシティ(金融街)にある保険取引所、またはそこで業務を行なっているブローカー(代理店業者)およびアンダ-ライター(保険引受業者)を含めた保険市場そのものを指す。

法人としてのロイズ
イギリス議会制定法によって法人化された団体。ブローカーとおよびシンジケートを会員とするロイズ保険組合のことを指す。Corporation of Lloyd'sとして知られる。

ロイズ保険組合はブローカーとアンダーライターを会員とする自治組織であり、通常の保険会社と異なり、ロイズ保険組合自体が保険引受業務を行なうのではない。保険を引き受けるのは、無限責任を負うアンダーライターであり、ロイズ保険組合はロイズ保険ビルを所有し、取引の場(ルーム)と保険引き受け業務に関する事務処理サービスを会員に提供するために存在している。

この複雑な二重性はよく使われる「われわれは個人としてはアンダーライターだが、全体としてはロイズである」という言い回しにあらわされる。
会員は保険金の支払に上限を定めない無限責任を負うとされ、保険会社の再保険の引受け先として知られる。

ロイズの仕組み
ロイズでは個々のアンダーライターが直接保険取引を行なうのではなく、シンジケートと呼ばれる会社を通じて保険を引き受ける。アクティブアンダーライターあるいはリーディングアンダライターと呼ばれる保険引受業務を実際にロイズで行なうアンダーライターがシンジケートを組織し、他のアンダーライターは無限責任を持つシンジケートへの出資者としての形をとる。ロイズには300あまりのシンジケートがあり、海上保険や火災保険、盗難保険などそれぞれ得意とする分野の保険を引き受けている。中には、ネッシーが捕獲された場合の懸賞金などを保証するなど風変わりな保険ばかりを引き受けるので有名なシンジケートもある。各シンジケートの保険引き受け能力は、出資するアンダーライターの人数と出資額によって決まる。

ロイズで保険をかけるにはブローカーを通じて行なう。ブローカーはスリットと呼ばれる保険証書を持って、ロイズのルームにいる各シンジケートのアクティブアンダーライターたちを回って交渉し、危険を分散するために複数のシンジケートに分割して保険を引き受けさせる。保険を引き受けたシンジケートは、支払いが生じたときのために他のシンジケートに再保険をかける。被保険料収入はそれぞれのシンジケートに、保険料の引き受け割合に応じて分配される。アンダーライターは保険証書の下に署名するところから名づけられた。名前を書くことからネームと呼ばれることもある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%BA


万景峰号、ロイズと再保険=月内にも入港可否判断-改正油賠法で国交省

北朝鮮の貨客船「万景峰92」号が改正船舶油濁損害賠償保障法に基づき、英国の保険会社と契約を結び、同社が世界最大の保険引き受け組織「ロイズ・オブ・ロンドン」(ロイズ保険組合)に再保険を掛けたことが4日、分かった。国土交通省が外交ルートを通じて契約内容を調査しており、5月中にも入港可否を判断するとみられる。
ロイズとの再保険が確認されれば支払い能力が担保されるとの見方が一般的で、万景峰号の入港が認められる公算が大きくなった。 

(時事通信)- 5月5日6時1分更新


保険は、保険契約者同士が互いに助け合うという社会制度であって、契約時点で遠い将来が約束されるものだ。ロンドンで300年以上の歴史を誇るロイズ保険を例にとってみよう。彼らが、いかなる場合にも、全財産をはたいても、幹部が保険契約者に支払いをすませてきたのは、その社会的約束を一度でも破れば一切の信用を失うからである。つまりロイズはシンジケートと呼ばれる複数の保険引受団のグループから成り、それぞれのシンジケートは「ネーム」と呼ばれる個人会員で構成され、個人会員が「シャツのボタンを売っても保険金支払いを完了する」という無限責任を持って保険金を支払うことになっている。その信頼性を保証するため、歴史的には、ロイズ会員は貴族と大資産家に限られ、したがってその会員になることは最高の栄誉であった。


「日本のゆくえアジアのゆくえ」広瀬隆(著)のP135~136からの引用。

事業統括会社

21日 三井海上 英国ロイズでの保険引受事業に進出
三井海上火災保険株式会社(社長:井口武雄)は、保険取引のリーディング・マーケットである英国ロイズ※1の法人メンバー※2として単独シンジケート※3 を開設し、ロイズ・マーケットでの保険引受事業に進出いたします。すでに今月17日にロイズ審査委員会より正式認可を受けており、本年4月から事業を開始する予定です。

当社が新規に開設するシンジケートでは、当社が直接雇用した英国の著名アンダーライターであるアラン・ゲスト氏※4を責任者とするチームにより引受を行うものであり、かかる本格的な体制での進出は本邦損害保険業界では初めてのことです。

(ご参考)
※1 いわゆるロイズとは、「ロイズ組合(Corporation of Lloyd’s)」のことであり、保険引受業務を行う場所の提供及び関連するサービス業務を行っている保険引受市場の総称を指しています。
※2 従来は無限責任を負う個人メンバーのみがロイズへの参加を認められていましたが、1994年以降法人メンバーの参加が認められました。法人メンバーは、無限責任を負う個人メンバーと異なり、有限責任を負います。
※3 シンジケートとはロイズ・メンバーが集まって形成する保険引受団体のことを指しますが、このうち単独のメンバーにより形成されているシンジケートを「単独シンジケート」と称します。
※4 1968年以来、英国大手保険会社においてアンダーライターとしての経験と実績を積んでおり、直近2年間は、ロンドンにおける企業保険引受の最高責任者(除くマリン、航空保険)として活躍し、卓越した引受成績を収めています。
当社関連日系契約の扱いを通じて、当社の経営方針や保険についての考え方を良く理解している人物です。
本事業において同氏は、当社単独シンジケートのアンダーライターであると同時に、事業統括会社及び法人メンバー会社のCEOに就任いたします。

LOF契約ではロンドンにおいてロイズ評議会

救助費の決定

個々の救助契約の定めるところにより決定されますので、決まった算定方法はありませんが、一般的には被救助価額の範囲内で、救助の成功度合いや難易度、救助実費などを考慮して救助費を決定します。
LOF書式の場合

LOF契約ではロンドンにおいてロイズ評議会(ロイズ(http://www.lloydsoflondon.co.uk)新しいウィンドウが開きます)の任命する仲裁人(Arbitrator)の仲裁裁定(Arbitration)によって救助報酬が決定されます。もちろん、仲裁に付する前に当事者間で救助報酬が決定されることも多いのも事実です。その場合には当事者は連名でロイズ評議会に対して書面でその旨を通知します。
通常、救助作業が完了するとロイズ評議会は仲裁人を一名任命します。仲裁人はロイズ評議会があらかじめ定めている仲裁人リストから選任されます。仲裁審は任命されたこの仲裁人によって運営され、船主または船舶保険者はロンドンにおいて事務弁護士(Solicitor)を起用し、更に事務弁護士は法廷弁護士(Barrister)を起用して同法廷弁護士を通じて仲裁審で主張と証拠の提出を行います。この仲裁裁定に不服の場合には、その言い渡しの日から起算して14日以内にロイズ評議会に書面で控訴(Appeal)の申し立てができます。なお、控訴審裁定は既に出されている仲裁裁定をかなり上回るか、下回るか、或いは仲裁審と同額かのいずれかであり、仲裁裁定額の少額の修正・変更は行われないと言われています。

仲裁人は当事者の主張や証拠に基づき、被救助財産の価額、作業の危険性・困難性、環境汚染損害防止軽減努力などを総合的に判断し、裁定額を決定します。 1989年海難救助条約第13条(PDF形式、9KB新しいウィンドウでPDFファイルを開きます)では救助報酬の判断基準として次のような要素を上げています。

(a)船舶及びその他の財産の被救助価額
(b)環境損害を防止軽減するための救助者の技能及び努力
(c)救助者によって達成された成功の度合い
(d)危険の性質及び程度
(e)船舶、その他の財産及び人命を救助するための救助業者の技能及び努力
(f)救助者の費やした時間、出費及び損害
(g)救助者及びその救助設備が冒した責任負担及びその他の危険
(h)行われた作業の迅速性
(i)救助作業に提供される船舶またはその他の救助設備の利用可能性及び効用
(j)救助者の救助設備の準備態勢及び有効性並びにその価額

またロイズ評議会は上記に加えて2005年5月、費用が定額の仲裁制度(Fixed Cost Arbitration Procedure (FCAP))を導入しました。この制度は主として救助保証状金額が100万ドル未満の比較的小規模の救助を対象としています。仲裁費用が定額で低く抑えられているのに加え、審査は書面のみによる等手続きが簡略化されており迅速な裁決が期待できます
日本海運集会所書式の場合

本書式第8条(2)に具体的に記載されています。簡単にいえば、被救助価額の範囲内で救助実費+成功報酬が救助費となるような積み上げ方式が慣行となっています。

* 海運集会所(http://www.jseinc.org/)新しいウィンドウが開きます

被救助価額

船体の被救助価額は救助成功の時における船価です。実務上、これを正確に算出することは容易ではありませんので、便宜上、船舶保険価額から修繕費を差し引いたものを被救助価額とすることもあります。もちろん、保険価額と時価とに相当差が生じていることが明らかな場合には専門の鑑定人に船価鑑定を依頼して決定します。
救助実費

救助業者は各自のタリフに基づき、救助に要した船舶費、燃料代、人件費、救助用具使用料等を請求してきますので、救助業者より提出された作業日誌とつき合わせ、救助船の使用日数が妥当であるか、救助用具はただ単に救助船に積み込まれただけなのか、また実際に現場で使用されたものなのかを確認していきます。
救助報酬(成功報酬、ボ-ナス)

救助報酬は救助実費に報酬率を乗じたものです。この報酬率を決めるにあたっては、救助作業の次のような要素を考慮して決定します。救助実費の一定割合(10%から100%)を救助報酬とするのが慣行となっています。

1. 被救助財産の価額
2. 救助業者によって達成された成功の度合い(救助者の技能)
3. 被救助財産のさらされた危険の性質及び程度
4. 救助設備の準備状態及び有効性並びにその価格
5. 救助者が費やした時間、出費及び損害を含む救助者の努力
6. 救助者及び救助設備が冒した責任負担の危険
7. 作業の迅速性
8. 投入された船舶及び資機材の利用価値
9. 損害防止軽減のための救助業者の技術、努力
10. 救助費支払いまでの期間に生ずる利息

救助報酬の斡旋・仲裁

本書式では救助報酬の協定は以上の諸要素を勘案しつつ当事者間で行われていますが、作業終了日から90日以内に協議が整わない場合、海運集会所の斡旋委員会に斡旋を求めることもできます(本書式第12条(1))。さらに斡旋が不調に終わったときは、同様に海運集会所に仲裁を求め、仲裁人の判断を最終的なものとすることもできます(本書式第13条(1))が、実際に斡旋や仲裁となったケ-スはないようです。

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本家のロイズ

ロイズ保険組合のしくみについて詳しく知りたいです。
ロイズ保険組合のホームページらしき物はあったんですが
英語だったのでわかりませんでした。
特に個人会員の呼び名
私の記憶が確かなら保険料を支払う状況になったとき会員はすべての財産を差し出し結婚指輪を売り払ってまで払わなければならなかったとおもうのですが・・・

 1996年現在,ロイズは約1万3000人の会員から成っており,一人一人が危険の独立した引受手であります。そのほとんどは保険の専門知識をもたない一般の富裕市民層であり、会員は個人であることを要し、イギリス人男性に限定されていたが、引受能力増大のため1969年に外国人男性に翌70年には女性にも会員資格が与えられるようになった。会員は数人から数十人のグループとなってシンジケートを形成し、引受代理店 を選定して保険の引受関係業務を行わせています。
 シンジケートを構成する会員は法律上保険契約の当事者であり,その損益の負担者であるが、実際の保険引受業務には携わらないので,通称ネームと呼ばれている。一方,引受代理店は,シンジケートのためにアンダーライター(保険引受けの専門家)を雇用して,実際の保険の引受けを行わせる。アンダーライターは構成会員から業務執行に関していっさい命令や束縛を受けず,自分の判断だけで引受けを行うので,シンジケートの運命はもっぱら彼の能力にかかっているといえます。したがって、名声のあるアンダーライターを擁するシンジケートにはネームとしての加入を希望する会員が多いが,シンジケートを無制限に大きくするわけにはいかないので、ときには同一のアンダーライターがいくつかのシンジケートを受けもつことがあります。

ロイズについては、以下のページに詳しく解説されています。
​http://www.yasuda-ri.co.jp/qt31index.htm#qt31-2​

​http://www.jeis.co.uk/topics/topics44.htm​
​http://www.jeis.co.uk/topics/topics45.htm​
​http://www.jeis.co.uk/topics/topics46.htm​

ロイズは、「ロイズブローカー」と「アンダーラーター」との保険業務を扱う市場。法人組織になってはいますが、保険会社ではありません。保険を引きうける、数多くのシンジケートで構成されています。

「ロイズブローカー」
保険契約者(保険料を支払って保険金などを受ける人)の代理人

「アンダーラーター」
「ネーム」(保険事故があった際に費用を負担する者)に代わって保険を引きうける

ロイズは、自然災害の多発などにより、危機に陥ったことがあり、ネーム(これがいわゆる無限責任を負う人で、ネームになること自体がステータスでもある)についての改革を行い、個人ネームの他に、法人ネームの制度も取り入れています。なお、法人ネームは、有限責任です。

ちなみに、参考URLは、本家のロイズのページ(英語)です。
参考URL: ​http://www.lloydsoflondon.co.uk/​

協調引受団(シンジケート)を組織

ロイズ保険組合
 ろいずほけんくみあい
 The Corporation of Lloyd's
 ロイズ保険組合とは、英国ロンドンに本拠を置く、17世紀後半から300年以上の伝統を誇る世界最大級の保険引受組合のことです。ロイドという名前の由来は、ロンドン市内のエドワード・ロイドが経営するコーヒー店で最初の保険引受ビジネスが行われたことによっています。組織の運営形態は独特で、「ネーム」とよばれる無限責任の個人会員が協調引受団(シンジケート)を組織して、専門の保険代理人と契約して損害保険や再保険を引き受けます(1994年から、法人会員の参加も可能)。特に、貴族や国会議員、個人資産家などにとって、無限責任で保険を引き受ける「ネーム」に参加できることは最高の栄誉とされてきました。しかし、1990年代の初め、米国のアスベスト(石綿)訴訟に伴って巨額の保険金支払いが続き、「ネーム」の破産が相次いだほか、米国同時テロ事件に絡む保険金支払いも巨額に達したため、最近は経営が悪化してきているといわれています。このため、「ネーム」の無限責任制度の廃止や、3年遅れの決算報告を改め透明性の高い年次決算に移行するなど抜本的な経営改革に乗り出しています。
 破産  共同保険  契約  再保険  シンジケート  損害保険

アメリカで発生した同時多発テロ事件(911)の保険金支払いで 破産したアンダーライターもいる

ロイズ
イギリスに「ロイズ」という組織があります。
「ロイズ保険組合」と言った方がわかりやすいと思います。
400年近い伝統のある、世界最大の保険組織です。
この組織はイギリスの貴族や大富豪と大きな関わりがあります。

このロイズ保険組合の保険は、主に損害保険会社が保険金支払いのため
に掛ける保険(再保険)です。まぁ、ここまでは普通です。
この保険の変わっているところは、ロイズ保険組合が引き受ける保険では
なく、ロイズ保険組合の名の下に、無限責任を負うアンダーライターと
呼ばれる保険請負人が引き受ける保険であるところです。
このアンダーライターの多くが、貴族や大富豪なのです。

要は、貴族や大富豪が保険を引き受けて、問題がなければ保険の掛け金
は貴族や大富豪の収入になり、問題が発生した場合は、保険金の支払い
を行うという、ギャンブルのようなモノなのです(ちょっと極端に書いています)。

無限責任を負うので、巨額の保険請求が発生した場合には全財産を処分
してでもこれの支払に応じなければなりません。
そのため、アメリカで発生した同時多発テロ事件(911)の保険金支払いで
破産したアンダーライターもいるそうです。

とは言え、実際の保険はアンダーライター1人で請け負うのではなく、
シンジゲートと呼ばれるアンダーライターの組織で請け負う形になります。
また、シンジゲートにはそれぞれ得意分野があり、火災保険、盗難保険、
海上保険など、300近いシンジゲートが存在すると言われています。
中には、

「ネッシーが捕獲された場合の懸賞金を保証する保険」
「自分の娘の処女が失われた場合に700ポンドを支払う保険」

など、ユニークな案件を扱うシンジゲートもあるそうです。
さすが、どんな保険でも引き受けると言われているロイズです(笑)。

なお、アンダーライターの同意が得られずに成立しない保険もあります。
また、危険を分散するために、複数のシンジゲートで保険を引き受けたり、
再保険(保険金支払のための保険)を掛けたりもするそうです。

<公爵の独り言>
ロイズ保険組合、ブックメーカー、競馬・・・。
イギリス貴族はかなりのギャンブル好きですね。

1. 2004/12/06(月) 00:01:56|
2. 王侯貴族・ローマ法王
3. | トラックバック:0
4. | コメント:13

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コメント
昔 TVでどこかの国のひとが火災保険詐欺を集団でやったみたいな番組がありました それを思い出したのと同時に ロイズ=生チョコを思い出したのは私だけ?w

1. 2004/12/06(月) 02:32:56 |
2. URL |
3. ショコラ #79D/WHSg
4. [ 編集]

番組は違うかもしれませんが、ボストンの事件が有名ですね。
http://www.fujitv.co.jp/unb/contents/p256_1.html
http://www.ntv.co.jp/gyoten/oa/030305.html
……似たような番組の間で使いまわしてるのな(笑)

1. 2004/12/06(月) 06:40:59 |
2. URL |
3. Lucius #79D/WHSg
4. [ 編集]

ショコラ様
保険のロイズは Lloyd's
生チョコのロイズは ROYCE'
ですね。生チョコの方は知りませんでした。
北海道のチョコレートなんですね。
Lucius様
スゴイ事件ですね。
これの失敗の原因は、被害者も共犯にしなかったことですね。
被害者にも次に住む場所の斡旋や分け前を与えていれば・・・。

ロイズでは75のシンジケートが176社のブローカーを通じて200以上の国および地域から引受を行なっています。2006年度の収入保険料は164億ポンド(約3兆5,260億円)、税引前利益37億ポンド(約7,955億円)となっています。

英国ロイズ「キルン社」買収手続き完了について
株式会社ミレアホールディングス(社長隅修三)は、2007年12月14日に、「英国ロイズ『キルン社』買収手続き開始の合意について」を発表いたしましたが、今般、保険グループ「キルン社 (Kiln Ltd.)」(以下「キルン社」)の買収(以下「本件買収」)に関する手続きを全て完了いたしましたのでお知らせいたします。

 2007年12月14日のキルン社経営陣との買収手続き開始の合意後、本件買収は2008年2月13日開催のキルン社臨時株主総会において、過半数の株主(委任状含む)が出席し、その99%超の賛成により決議されました。
 今般、全ての関係国当局などの認可・承認を受領したことから、キルン社本社所在地である英領バミューダにおいて本件買収に関わる最終的な手続きを行い、現地時間3月10日に手続きが完了いたしました。
 これに伴い、キルン社は3月10日付でロンドン証券取引所上場を廃止し、当社子会社である東京海上日動火災保険株式会社(以下「東京海上日動」)の100%子会社となりました。

 買収総額は約442百万ポンドで、円貨ベースでは約950億円(為替レート:平均取得為替値をベースとした£=215円にて換算)となりました。

 当社の連結決算の損益面の影響といたしましては、2009年3月期決算から反映することとなります。

 今後は、買収の効果を最大限に発揮していくために、ミレアグループとキルングループの両者にて共同で戦略を検討し、新たな事業展開を検討していくなど、ロイズ市場のみならずキルン社の事業基盤を活用した更なる海外保険事業展開に取り組んでまいります。

以 上

<ご参考>

1. キルン社概要

・ 創 業: 1962年R.J.Kiln氏により創業
・ 業績動向(2006年度:£=215円で換算)


(百万ポンド)

(億円)
収入保険料 (*)

429

922
税引後利益

44

94
総資産

1,010

2,172
純資産

250

538
合算比率

77%
株主資本利益率(ROE)

20%
(*)収入保険料の地域別構成比:米国などNAFTA41%、英国10%、その他欧州11%、アジア9%、その他29%。

・ 年間引受可能保険料(キャパシティ):802百万ポンド(約1,724億円)
・ 決算期: 12月
・ 格付(S&P): A+(ロイズとしての格付け)
・ 従業員: 335名

2. ロイズ保険市場概要

・ 17世紀発祥の英国ロンドンに所在する世界を代表する保険市場です。
・保険の引受は「メンバー」と呼ばれる個人または法人の資本提供者によって行われております。かつては「ネーム」と呼ばれる無限責任を負う個人のみでしたが、1994年から法人メンバーが認められ、現在では法人メンバーがロイズ全体の85%に達しています。保険の引受に際して、メンバーは単独または複数で引受団「シンジケート(Syndicate)」を組成し、これを通じてリスクを一定割合で引き受けます。保険の引受を含むシンジケートの運営・管理は、シンジケートとは別の「マネージング・エージェント(Managing Agent)」と呼ばれる会社が行います。またロイズとの保険取引は特別の認可を得たロイズブローカーを通して行われるなど他の市場にはない独自の機能分化に特徴があります。
・ 2008年1月現在、ロイズでは75のシンジケートが176社のブローカーを通じて200以上の国および地域から引受を行なっています。2006年度の収入保険料は164億ポンド(約3兆5,260億円)、税引前利益37億ポンド(約7,955億円)となっています。

3. 買収手法および手続き

・ 本件買収は、バミューダの企業再編法制に基づき、東京海上日動がバミューダに100%出資の特別目的会社「Tokio Marine Investment (Bermuda)」(TMIB)社を設立し、キルン社とTMIB社を合併させる手法で行いました(*)。
・ バミューダにて合併(Amalgamation)申請書を提出し、現地時間3月10日に同合併申請書が受理され、合併新会社である"新"Kiln Ltd.社が登記されました。
・ 今後、東京海上日動がキルン社既存株主への対価(1株当り現金150ペンス(約323円))を支払います。
(*)バミューダ企業再編法制上、アマルガメーション(Amalgamation)と呼ばれる手続きで、合併に類似した手法です。バミューダのみならずカナダ、シンガポールなど各国において、特に友好的買収の際に三角合併などに広く用いられている手法です。

以 上

2010年1月14日木曜日

ロイズ保険「無限責任」中止

ロイズ保険「無限責任」中止〔読売新聞〕
投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 1 月 19 日 12:25:45:

【ロンドン18日=斎藤孝光】
イギリスのロイズ保険組合は、個人会員が保険金の支払いに無限責任を負う引き受け方式を取りやめるなど、発足以来300年にわたって続けてきた伝統的な運営方式を抜本的に見直す改革案を発表した。米同時テロで巨額損失を見込む事態になったことが契機となり、組織運営の近代化で生き残りを図るものだ。
無限責任の引き受け方式は2004年末で中止し、有限責任に切り替える。また、3年単位の会計制度を1年に改める。
ロイズ保険組合を支えてきた「ネーム」と呼ばれる個人資産家は、90年代前半には3万4000人いたが、アスベスト事故に絡んだ巨額保険金支払いの影響などから、現在では2490人にまで激減している。一方で、引き受け能力の8割を占めるようになった法人会員からは、会計制度の近代化などの要望が高まっており、運営方式を法人重視に転換することにした。
ロイズ保険組合では、見直しの詳細について、今後数か月間で会員や規制当局と詰める。
(1月19日11:33)

ロイズ・シンジケートについて

ロイズ・シンジケートについて 3


「アンダーライター」
保険引受け専門家、実際の保険引受けを行う。
構成会員から業務執行に関していっさい命令や束縛を受けず、自分の判断だけで引受けを行うので、シンジケートの命運はもっぱらアンダーライターの能力にかかっています。
したがって、名声のあるアンダーライターを擁するシンジケートにはネームとして加入を希望する会員が多いので、時には同一アンダーライターが幾つかのシンジケートを受持つこともあります。

「ロイズブローカー」
ロイズで保険をかけるにはブローカーを通じて行う。ブローカーはスリップと呼ばれる保険証書を持って、ロイズのルームにいる各シンジケートのアンダーライターたちを回って交渉し、危険を分散する為に複数のシンジケートに分割して保険を引受けさせる。保険を引受けたシンジケートは、支払いが生じた時の為に他のシンジケートに再保険をかける。
被保険収入はそれぞれのシンジケートに、保険料の引受け割合に応じて分配される。

# by 塵  | 2009/02/08 19:15 | 知識


ロイズ・シンジケートについて 2


1688年頃、エドワード・ロイドという人が、ロンドンのタワー・ストリートに「ロイズ・コーヒー・ハウス」を開店すると、貿易商や船員などが自然にこの店で情報交換を行うようになりました。
そこでロイドは海運情報(船、積荷、潮流、気象など)のニュースを発行するサービスを始めたところ、彼のコーヒー・ハウスは非常に繁盛し、保険引き受け業者[アンダーライター]が集まるようになりました。
ロイズは、約1万3000人の会員から成る、一人一人が危険の独立した引受手です。
そのほとんどは保険の専門知識を持たない一般の富裕市民層であり、会員は個人であることを要しています。
会員は数人から数十人のグループとなってシンジケートを形成し、引受代理店を選定して保険の引受関係業務を行わせています。
[ネーム]
シンジケートを構成する会員は法律上保険契約の当事者であり、その損益の負担者であるが、実際の保険引受業務には携わらない。
自然際の多発などでロイズが危機に陥った時、個人ネームは無限責任(補償)を負います。身に付けている指輪は勿論、服の釦まで補償へ差し出す
個人ネームになること自体がステータスです。
法人ネームは、有限補償です。

# by 塵  | 2009/02/08 18:39 | 知識


ロイズ・シンジケートについて 1


ロイズ・シンジケートとは、保険会社がリスクを分散させる為に入る世界最大の再保険引き受け組織、英国ロイズ保険組合です。

保険会社が入る保険とは?
一般的に、大規模な自然災害や大事故など巨大なリスクは、1つの保険会社では抱えきれないため、リスクの一部を他の保険会社と分担するために再保険という仕組みが利用されています。
再保険は一般の保険会社が引き受ける場合と再保険専門の会社が引き受ける場合がありますが、再保険専門の会社として世界で最も有名なのが英国ロイズ保険組合です。

再保険専門会社でも、リスクを分散するためにロイズ保険に加入しています
何故加入するのか?
米国で発生した同時多発テロで、国内損保会社が多額な損失を被ったでしょう

再保険は、第1次再保険・第2次再保険とリスクの分散を計算して、普通2~3社に分散されています。

再保険会社も、リスクをロイズ保険組合に分散しています。

ロイズ保険組合が、何故世界の再保険業界での地位を得ているのかは、ロイズが無制限補償を実施しているからです


# by 塵  | 2009/02/08 18:09 | 知識

ロイズとは  ロイズ (Lloyd's) とは、ロンドンにある世界的な保険市場である。

ロイズ
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曖昧さ回避
この項目では、ロンドンの保険市場について記述しています。ロンドンのロイズ銀行については「ロイズTSB」を、北海道のチョコレートメーカーについては「ロイズコンフェクト」をご覧ください。
ロンドンのロイズ本社
ロイズ保険ビル全景

ロイズ (Lloyd's) とは、ロンドンにある世界的な保険市場である。
目次
[非表示]

* 1 概要
o 1.1 国際的な保険市場としてのロイズ
o 1.2 法人としてのロイズ
* 2 歴史
* 3 ロイズの仕組み
* 4 ロイズの鐘
* 5 ロイズが登場するフィクション作品
* 6 参考文献
* 7 関連団体
* 8 受賞
* 9 関連リンク

概要 [編集]

ロイズという言葉には2つの意味がある。
国際的な保険市場としてのロイズ [編集]

イギリスのシティ(金融街)にある保険取引所、またはそこで業務を行なっているブローカー(保険契約仲介業者)およびアンダーライター(保険引受業者)を含めた保険市場そのものを指す。
法人としてのロイズ [編集]

イギリス議会制定法によって法人化された団体で、ブローカーおよびシンジケートを会員とするロイズ保険組合である。Corporation of Lloyd's として知られる。

ロイズ保険組合はブローカーとアンダーライターを会員とする自治組織であり、通常の保険会社と異なり、ロイズ保険組合自体が保険引受業務を行なうのではない。保険を引き受けるのは、無限責任を負うアンダーライターであり、ロイズ保険組合はロイズ保険ビルを所有し、取引の場(ルーム)と保険引き受け業務に関する事務処理サービスを会員に提供するために存在している。

この複雑な二重性はよく使われる「われわれは個人としてはアンダーライターだが、全体としてはロイズである」という言い回しにあらわされる。

会員は、従来、保険金の支払に上限を定めない無限責任を負う個人ネームだけだったが、1992年より有限責任の法人ネームの募集も始まり、現在に至っている。

ロイズの形態と名称は、もともと1688年ごろにエドワード・ロイドという人物がコーヒー・ハウスを開き、保険業者たちがその店にたむろして取引の場として利用していたことに由来する。エドワード・ロイドが死去したあと、取引の場を失った保険業者たちが資金を出し合って、人を雇って新たにロイズ・コーヒー・ハウス(ロイドのコーヒー店)と名づけたコーヒー店を自分たちのために開かせた。時代とともにコーヒー・ハウスではなくなったが、ロイズ (Lloyd's) という名前はそのまま残った。
歴史 [編集]

1688年ごろ、エドワード・ロイドがロンドンのタワー・ストリートにコーヒー・ハウス(ロイズ・コーヒー・ハウス)を開店。貿易商や船員などがたむろするようになった。ロイドは顧客のために最新の海事ニュースを発行するサービスを行い、店が非常に繁盛した。1691年手狭になりロンバード・ストリートの中央郵便局の隣に移転する。次第に保険引き受け業者(アンダーライター)が集まるようになる。

1720年に南海泡沫事件が起き、ロンドンの証券市場は崩壊した。議会は泡沫法を制定し、保険引受業務を行える会社を勅許を受けた2社に限定した。しかし、個人の保険引受業者は規制しなかったため、ロイズに集まっていた個人の保険引き受け業者は競争相手となる保険会社が2社だけに激減したおかげで、かえって有利になった。まもなく特許会社2社は不祥事を起こして海上保険から撤退し火災保険に主力を移したため、海上保険はロイズの独占となった。しかし、ロイズに有象無象の保険引受業者が集中した結果、ロイズには支払能力もない怪しげな業者が出入りするようになり、賭博保険が横行してロイズの評判を下げることになった。まともなアンダーライターとブローカは事態を憂慮して、ウエイターのトーマス・フィールディングを雇って新ロイズ・コーヒー・ハウスを開かせ、純粋な海上保険を行う業者は新ロイズに移った。

アンダーライターたちはロイズ委員会を組織し、1773年にはコーヒー店を王立取引所の中に置くことを決定した。これにより、ロイズは保険取引が行なわれるコーヒー店の名前から、保険引受市場そのものへと転換となった。しかしロイズ委員会には不正を働いたアンダーライターを除名する権限や、支払能力のないメンバーの出入りを制限する権限がなかった。

1871年にロイズ委員会は議会に働きかけてロイズ法を制定させ、ロイズ委員会を法人化してロイズ組合となった。
ロイズの仕組み [編集]

ロイズでは個々のアンダーライターが直接保険取引を行なうのではなく、シンジケートと呼ばれる会社を通じて保険を引き受ける。アクティブアンダーライターあるいはリーディングアンダライターと呼ばれる保険引受業務を実際にロイズで行なうアンダーライターがシンジケートを組織し、他のアンダーライターは無限責任を持つシンジケートへの出資者としての形をとる。ロイズには300あまりのシンジケートがあり、海上保険や火災保険、盗難保険などそれぞれ得意とする分野の保険を引き受けている。中には、ネッシーが捕獲された場合の懸賞金などを保証するなど風変わりな保険ばかりを引き受けるので有名なシンジケートもある。 各シンジケートの保険引き受け能力は、出資するアンダーライターの人数と出資額によって決まる。

ロイズで保険をかけるにはブローカーを通じて行なう。ブローカーはスリップと呼ばれる保険証書を持って、ロイズのルームにいる各シンジケートのアクティブアンダーライターたちを回って交渉し、危険を分散するために複数のシンジケートに分割して保険を引き受けさせる。保険を引き受けたシンジケートは、支払いが生じたときのために他のシンジケートに再保険をかける。 被保険料収入はそれぞれのシンジケートに、保険料の引き受け割合に応じて分配される。アンダーライターは保険証書の下に署名するところから名づけられた。名前を書くことからネームと呼ばれることもある。
ロイズの鐘 [編集]

ロイズの建物の一階には鐘(ルーティンベル)が置かれており、海難事故等の発生を報せる役割を果たした。

タイタニック号沈没の際も、この鐘は鳴らされた。
ロイズが登場するフィクション作品 [編集]

* パタリロ!(作中に「ワイズ保険」として登場する)
* ゴルゴ13(「穀物戦争 蟷螂の斧」に登場する)
* 沈黙の艦隊(作中に「ライズ保険組合」として登場する)
* MASTERキートン(主人公がロイズの依頼を受ける保険調査員)
* 勇午 ~thenegotiator~U.K.編(作中に勇午の仕事の関係で登場)
* TVスペシャル『ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!』(作中に「ロイド保険」として登場する)

参考文献 [編集]

* 木村栄一『ロイズ・オブ・ロンドン―知られざる世界最大の保険市場』 日本経済新聞社、1985年、ISBN 4532085861
* ゴドフリ-・ホジスン『ロイズ巨大保険機構の内幕』 狩野貞子訳、早川書房、1987年、ISBN 4152033347(上) ISBN 4152033355(下)
* L.M.シェ-クスピア『狙われたロイズ保険(上・下)』 吉田利子訳、光文社(光文社文庫)、1989年、ISBN 4334760228
* 南方哲也『ロイズ物語―Lloid's of London』 みた経営研究所(清文社) 1990年、ISBN 4792061105
* アダム・ラファエル『ロイズ保険帝国の危機』 篠原成子訳、日本経済新聞社、1995年、ISBN 4532143934

関連団体 [編集]

* ロイズ保険組合
* ロイズ生命保険
* ロイズ船級協会(日本法人はロイドレジスターアジア)
* ロイズ・ジャパン

受賞 [編集]

* イグノーベル賞(1992年経済学賞がロイズ・オブ・ロンドンの投資家に授与されている)

関連リンク [編集]

* Lloyds.com
* ロイズ・ジャパン株式会社

「http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%82%BA」より作成
カテゴリ: 保険 | 取引所 | ロンドンの経済 | 保険会社
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ロイズの仕組み [編集]

ロイズでは個々のアンダーライターが直接保険取引を行なうのではなく、シンジケートと呼ばれる会社を通じて保険を引き受ける。アクティブアンダーライターあるいはリーディングアンダライターと呼ばれる保険引受業務を実際にロイズで行なうアンダーライターがシンジケートを組織し、他のアンダーライターは無限責任を持つシンジケートへの出資者としての形をとる。ロイズには300あまりのシンジケートがあり、海上保険や火災保険、盗難保険などそれぞれ得意とする分野の保険を引き受けている。中には、ネッシーが捕獲された場合の懸賞金などを保証するなど風変わりな保険ばかりを引き受けるので有名なシンジケートもある。 各シンジケートの保険引き受け能力は、出資するアンダーライターの人数と出資額によって決まる。

ロイズで保険をかけるにはブローカーを通じて行なう。ブローカーはスリップと呼ばれる保険証書を持って、ロイズのルームにいる各シンジケートのアクティブアンダーライターたちを回って交渉し、危険を分散するために複数のシンジケートに分割して保険を引き受けさせる。保険を引き受けたシンジケートは、支払いが生じたときのために他のシンジケートに再保険をかける。 被保険料収入はそれぞれのシンジケートに、保険料の引き受け割合に応じて分配される。アンダーライターは保険証書の下に署名するところから名づけられた。名前を書くことからネームと呼ばれることもある。